フィトンチッド(phyton-cide)とは エコデパジャパン エコロジーグッズのオンラインデパート
NHKなどでも、積極的に取り上げられるようになり、
ちょっと、舌をかみそうな「フィトンチッド」という言葉も、
私どもの生活に身近に語られるようになりつつあります。
(1)森林の力=フィトンチッドって何だろう?
(2)森林や木には神秘的で不思議な力ー森林浴
(3)樹木(植物)がフィトンチッドを作る理由
(4)フィトンチッドは自己防衛の秘密兵器
(5)食べ物の鮮度を保つフィトンチッド
(6)お寿司やさんはフィトンチッドと共存
(7)香辛料もフィトンチッド
(8)代表的なアレルギー症状
(9)ダニとフィトンチッド
(10)そこで頼りになるのがフィトンチッド
(11)住まいに活かされているフィトンチッド
(12)研究データに見るフィトンチッドの抗菌作用
(13)青森ヒバ
(14) F−118
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「フィトンチッド」。聞きなれない言葉かも知れませんね。
いったい何なのでしょうか?フィトンチッドとは一言で説明すれば 『森林の香り』 或いは 『森林の不思議』 です。
でも自然と触れる機会が少なくなった現代では「森林の香り」と言われてもピンとこないかもしれません。
もう少し具体的に言うと「木の香り」。こう説明すれば皆さんは、材木やさんや新築の木造住宅に漂う匂いやヒノキ風呂の香りを思い浮かべるでしょう。
そして「何だ、難しそうな言い方をしているだけで、たかが木の香りじゃないか。」と思われるかもしれません。でもちょっとお待ちください。わざわざ「フィトンチッド」と呼ばれ、また最近その存在が注目されている背景には、ちゃんとした理由があるのです
たとえば「森林浴」。
ストレスをやわらげて、身も心もリフレッシュさせる森林浴の爽快感は皆さんも良くご存知ですね。
休日には都会の喧騒を逃れ、自然の緑を求めてハイキングなどに出かける方も多いと思います。
本来なら落ち葉、動物の排泄物など腐敗物の多い森林は、悪臭に満ちてもおかしくありません。緑にあふれた森林の中に入って行くと爽やかな空気が広がり、しばらく歩いているとかすかな緑の香りに気がつくと思います。
この森林浴効果をもたらす森林の香りの正体が「フィトンチッド」。森林の植物、主に樹木が自分で作り出して発散する揮発性物質で、その主要な成分はテルペン類と呼ばれる有機化合物です。そして、この揮発している状態の� �ルペン類を人間が浴びることを森林浴と言う訳です。
森林浴も今では、日光浴や海水浴と並んで、私たちの暮らしの中にしっかり定着したようです。健康づくりには欠かせない存在ですね。
フィトンチッドはからだをリフレッシュさせるだけではありません。抗菌、防虫、消臭などのさまざまな働きがあり、フィトンチッドを上手に利用することによって、私たちの生活を健康的で豊かなものにしてくれます。
たかが木の香りとはあなどれません。森林や木には神秘的で不思議な力が隠されているからです。それは「森林の精気」と言い換えても良いでしょう。
樹木(植物)がフィトンチッドを作るのには理由があります
それでは、樹木は何のためにフィトンチッドを作り出すのでしょうか?
樹木が光合成を行うことは皆さんも良くご存知だと思います。樹木が生きていく為に必要な活動で、人間が食事をとることと同じです。光合成は太陽の光エネルギーを利用して、炭酸ガスと水から炭水化物を作り酸素を放出します。さらに樹木は二次的にフィトンチッドなどの成分を作りだすのです。
このフィトンチッドには、作り出した樹木自身を護るさまざまな働きがあります。他の植物への成長阻害作用、昆虫や動物に葉や幹を食べられないための摂食阻害作用、昆虫や微生物を忌避、誘因したり、病害虫に感染しないように殺虫、殺菌を行ったりと実に多彩です。土� ��根ざして生きる樹木は移動することができません。そのため外敵からの攻撃や刺激を受けても避難できませんから、フィトンチッドを作り出し、それを発散することで自らのみを護るわけです。
1930年頃、旧ソ連のB・P・ト−キン博士は、この植物の不思議な力を発見し、フィトン(植物が)チッド(殺す)と名づけました。
フィトンチッドは自己防衛のための秘密兵器なのです!
人間から微生物に至るまで、生物というものは生存するためのさまざまな能力を身に付けています。フィトンチッドとは樹々にとって、自分を護る為の秘密兵器といえるでしょう。
まさに生命の神秘ですね。こうした秘密兵器を持つからこそ、木は何百年も、いや年千年も生きることが可能なのだといえるでしょう。
食べ物の鮮度を保つフィトンチッド
一例を身近な、食べ物にとってみましょう。
食品は空気中の酸素と反応し、過酸化物ができて分解します。この現象が、たべものの腐敗です。したがって、たべものを保存するには、酸化しないようにすることが必要なわけです。
こうした酸化を防止するために、フィトンチッドが利用されてきたのです。フィトンチッドの働きが、たべものの鮮度保持には欠かせない存在だったからです。
また、フィトンチッドは、食中毒の原因となるような細菌に対しても効果がありますから、たべものの保存ばかりか、たとえば『なまもの』を食べる際にも、さまざまな形で利用されてきました。
お寿司やさんはフィトンチッドと共存
少し具体的な例を見るために、お寿司屋さんの暖簾をくぐってみましょう。
お客様に握った寿司をのせる飯台には『ヒノキ』が使われています。ヒノキにはカンファー、α−ピネン、リモネン、カジノールなどテルペン類の成分が多く含まれており、これらの相乗効果により抗菌作用が働きます。
さて寿司ネタを入れたガラスケースのなかには『椹(サワラ)』の葉が置かれています。これは見栄えをよくするだけではありません。サワラに含まれている成分はピシフェリン酸で、この物質は強い酸化防止作用を持っています。
お寿司を握るときには『ワサビ』をきかせますね。お刺し身を食べるときにも使います。ワサビの香りには、アリルイソチオシアネートという舌を噛� �そうな名前の成分があり、強力な抗菌作用があります。
お寿司を食べる合間には必ずといってよいほど『お茶』を飲むと思います。このお茶には、カテキンという成分が含まれていて、この成分にも抗菌作用があります。
もう一つお寿司を食べる合間に欠かせないのが『ショウガ』、通称ガリです。ショウガにはゲラニルアセテートという成分があり、やはり抗菌作用が働いています。
さらに最近では見かけなくなってきましたが、お土産のお寿司を包む際には『経木(きょうぎ、スギやヒノキなどの木を紙のように薄く削ったもの)』が使われました。また、お寿司を並べた間に『ササの葉』の細工物や『シソの葉』などをあしらい、見た目の美しさばかりか鮮度保持にも気を配ったわけです。
この他にも例を挙げ� �すときりがありません。柿の葉寿司もそうですし、鱒寿司や鮭寿司など押し寿司の類はたいてい木の葉で包まれています。
香辛料もフィトンチッド
日本酒の樽に杉材を用いるのは、木香(きが)をつけて独特の風合いをまろやかな味をだすためでなく、防腐効果のためでもあるのです。香辛料もフィトンチッドの一種です。
わたしたちが「スパイス」と呼んでいるもので、コショウ、クローブ、ナツメグなど、今ではすっかりお馴染みになりました。これらの香辛料には抗菌作用や酸化防止作用があるだけでなく、消化を助けたりコレステロールを低下させる力があることもよく知られています。フィトンチッドはわたしたちの食生活に欠かせないものなのです。
代表的なアレルギー症状
昔はアレルギーといったら食物アレルギーが一般的で、卵、牛乳、大豆が三大アレルゲンとされていました。最近では、花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息が代表的なアレルギー症状と言えそうです
これらの症状は良く知られていますが、その原因となると簡単には特定できないのが現状ではないでしょうか。アレルギーはさまざまな要因が絡み合って引き起こされるものなのです。
ダニとフィトンチッド
アレルギーの原因に多く挙げられるダニに対して、実はフィトンチッドが優れた「繁殖抑制効果」を持っているのです。最近ダニが家屋に多く繁殖する理由は、住宅構造の変化によるところが大きいといえるでしょう。気密性が高く高温多湿の家屋は、ダニにとって天国みたいなものです。絨毯(カーペット)もダニは大好きです。
ダニから身を護るには殺してしまうのが一番、といった誤解が一部にあるようですが、アレルギーの原因となるのはダニの死骸や糞を吸い込むことにありますから、殺ダニ剤の使用が万能ではありません。
そもそもダニと人間の生活環境はほぼ同じです。ダニが住めないところに人間も住めません。さらに、強力な合成殺ダニ剤を用いた場合、その毒� �も心配されます。基本的なダニ対策は「換気」と「掃除」にありますが、生活様式の変化から、それもままならぬのが実情かもしれません。
そこで頼りになるのがフィトンチッドなのです
ヒノキやスギの木の粉の中でダニを飼育すると繁殖が抑えられ、精油を抽出後の木の粉では効果がないことがわかっています。
また精油を含まないオガ屑に青森ひば材油を加え、ダニの繁殖を観察した結果、強い抑制効果が確認されています。さらに、ダニに悩んでいる家庭の床を畳やカーペットからナラ材主体の木の床に改装した結果、ダニ数が減少し、かゆみなどの症状もなくなったことが明らかにされたのです。
フィトンチッドがアレルギーを治すとは決して言いませんが、アレルギーの大きな原因であるダニの繁殖を抑えることを見逃す手はないでしょう。
住まいに活かされているフィトンチッド
フィトンチッドを暮らしに役立てる生活の知恵は、何も食べ物だけには限りません。私たちの住まいにもちゃんと活かされているのです。
「総ヒバ造りの家には3年間は蚊が入らない」と言われています。家を建てる時にこうしたヒバやヒノキ、スギなどの木材を使うのは、木が放出するフィトンチッドに白アリ、ダニ、蚊、カビなどを寄せ付けない成分があるからなのです。
その中でも最も優れたフィトンチッドとして代表的なのは、何といっても青森ひば油の効果ではないでしょうか?
青森ひばにはヒノキチオールが多く含まれており、強い抗菌性が確認されています。
また、家具に木が用いられるのも同じ理由からです。「クスノキ」は樟脳の原料になる木で、カンファーという防虫、防腐作用に優れた成分を含� �でいます。クスノキで作ったタンスには防虫剤は要らないといわれているほどです。
研究データに見るフィトンチッドの抗菌作用
フィトンチッドの抗菌作用を科学的に裏付ける研究例をいくつかご紹介しましょう。
ヒノキ科樹種のメタノール抽出物を用いて、緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ状球菌、枯草菌への抗菌作用を調べた結果、ヒノキ材、カイヅカイブキ葉、コノデカシワ樹皮、ヒノキアスナロ(青森ひば)材が黄色ブドウ状球菌、枯草菌に対して強い抗菌性を持つことがわかりました。
サワラに含まれるピシフェリン酸を用いて、同じく細菌類への作用を見たところ、黄色ブドウ状球菌に対してやはり強い抗菌性を持つことが確認されています。
また針葉樹葉油を揮散状態にして、真菌類(カビ)への抗菌作用を調べると、ネズコが黒麹カビに対して非常に強い生育阻害を示した他、ヒノキやヒノキアスナロがアオカビ属に対して、ハイビャクシンがフザリウム属に対して、それぞれ強い� �成阻害を示したのです。
青森ヒバ
中でも青森ひば油の優れた抗菌性には目を見張るものがあり、MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)の生育を完全に阻止し、耐性菌もでなかったことは画期的なことです。あらためて森林の力=フィトンチッドには驚くばかりです。以上はほんの一例に過ぎませんが、これから衣・食・住すべての面で森林の力=フィトンチッドの活用が期待されています。
F−118
成分は松、モミなどの高木をはじめ、イラクサ、クマザサ、椿、お茶、ヨモギ、レモン、などから抽出したエキスよりなる水酸基を有する有機化合物(主要成分はエビエスオイル、テルペン、クロロフィル、ぺクチナーゼ、アミラーゼ、アミノ酸、パントテン酸など16種以上で構成)。
酸性とアルカリ性、有機質と無機質にかかわらず、複合臭を同時に消臭。しかも、人体・動物への使用、口に入っても安全なため、使用場所を選びません。発生するすべての臭いの消臭を可能にした画期的消臭剤です。
◆「参考資料:やさしいフィトンチッドのはなし。 フィトンチッド普及センター編」 ウエッブサイトは以下の通り。
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