*IRA200E AUXILIARY STORAGE SHORTAGEの対処法
私は、テストプログラムを作成して、Auxiliary Storage(LocalPageデータセット)を溢れさせてみました。その時の状況をSYSLOGに表示されたメッセージを元に解説します。
まず、Auxiliary Storage Shortageとは、使用率が70%を超えた状態の事を指します。Auxiliary Storageの使用率が70%を超えると、MVSシステムMVSはIRA200Eを出力し、LOGON,MOUNT,STARTコマンドが全て失敗させ、新しいアドレススペースを作成しません。稼動中のタスクも、Swapout中のJOBはSwapinする事が出来ません。一部のJOBは強制的にSwapoutされます。さらにGetmainを要求するJOBのほとんどは停止してしまいます。
javaでプログラムをパッケージ化する方法
>> IRA200E, IRA204E Message : *IRA200E AUXILIARY STORAGE SHORTAGE IRA204E 07% AUXILIARY STORAGE ALLOCATED TO FASTR$T IRA204E 05% AUXILIARY STORAGE ALLOCATED TO MVSPAS IRA204E 04% AUXILIARY STORAGE ALLOCATED TO TCPS IRA204E 24% AUXILIARY STORAGE ALLOCATED TO BBMCAS IRA204E 07% AUXILIARY STORAGE ALLOCATED TO IXGLOGR
(IRA204Eは多くのAuxiliary Storageを使用している上位5タスクです。OS/390 1.2のマニュアルには、「IRA204Eに表示されたタスクは強制的にSwapoutされる」とありますが、OS/390 1.3では「・・・Swap可能なタスク・・」と変更されています。これはMVSの仕様が変わった訳では無く、マニュアルが訂正された様です。OS/390 1.2であってもNo-SwapのタスクはSwapoutされませんでした。)
>> Aux不足によるLOGONコマンドの失敗例
WMIを使用する方法
LOGON IEA602I ADDRESS SPACE CREATE FAILED. A STORAGE SHORTAGE EXISTS IEE328I LOGON COMMAND ABORTED
(このメッセージはConsoleに出力されます。TSO画面にはIEA602Iのみ表示されます。)
>> Aux不足によるSTARTコマンドの失敗例
S ASTRTST IEA602I ADDRESS SPACE CREATE FAILED. A STORAGE SHORTAGE EXISTS IEE328I S COMMAND ABORTED
この様にAuxiliary Storageの使用率が70%を超えた段階で正常に稼動できるタスクは、70%となる以前に起動していたNOSWAP属性のタスク、又は新たにGetmainせず、少量の仮想記憶で動いているタスクだけとなっています。
これほど危険性を含んでいるにも関わらず、MVSは事前に警告メッセージを出す事はありません。70%を超えて、始めてメッセージを出力します。
XP上で実行するWindows 95のゲームを取得する方法
さらにLocalPageデータセットの使用率が85%を超えた時、MVSはIRA201Eを出力します。このメッセージはかなり重症であり、長時間続く場合、システムは崩壊する様です。
>> IRA201E Message :
*IRA201E CRITICAL AUXILIARY STORAGE SHORTAGE
IRA201Eが表示された後、以下の様な事が発生しました。
IEF196I IOS079I 0563,**,XCFAS, I/O TIMEOUT INTERVAL HAS BEEN EXCEEDED IEF196I FOR A QUEUED REQUEST. THE QUEUED REQUEST HAS BEEN IEF196I TERMINATED. IOS079I 0563,**,XCFAS, I/O TIMEOUT INTERVAL HAS BEEN EXCEEDED 025 FOR A QUEUED REQUEST. THE QUEUED REQUEST HAS BEEN TERMINATED.
ストレージ不足の為、I/O処理が停止したと思われます。
*IXC246E SYSPLEX COUPLE DATA SET 045 SYS1.XCF.CDS01 ON VOLSER SYS9P3, DEVN 0563, HAS BEEN EXPERIENCING I/O DELAYS FOR 60 SECONDS.
このメッセージは更に深刻です。Sysplex Couple Datasetにアクセス出来なくなった様です。このまま放置しておくと、MVSはAlternate Sysplex Couple Datasetにアクセスを試みますが、当然そちらも失敗するでしょう。2つのSysplex Couple DatasetにアクセスできなくなるとMVSはシステムを強制終了します。
この様に、Auxiliary Storageの使用率が85%を超えたまま放置すると、システムは崩壊しダウンしてしまうでしょう。
ちなみにAuxiliary Storageの使用率が85%を超える迄に要した時間は、テストJOBを実行してから十数分間でした。
0 コメント:
コメントを投稿